ここでは、自営業者に必要な消費税に関しての基礎知識を記します。是非参考にしてください。
〔消費税の仕組み〕
消費税とは、商品を買った場合や、サービスを受けた場合に、その対価の5%分(うち1%相当は地方消費税)を消費者が負担する間接税です。自営業者が商品等を仕入れる際にも負担しており、販売する際に買い手から売価の5%分を徴収する形となっています。
また、消費税は生産や流通から販売にいたる各段階で販売価格に上乗せされていきますが、最終的に税を負担するのは消費者となります。
〔消費税の税額計算〕
消費税の納税額の計算方法は、
| (売り上げに対する消費税額)-(仕入れに含まれる消費税額)=(消費税の納税額) |
となります。(課税仕入れにかかる消費税額には、商品・原料の仕入れに限らず、建物・機会・消耗品の購入・修繕費などに対する支出も含まれます。)
また、売り上げに対する消費税額よりも仕入れに含まれる消費税額の方が大きい場合には消費税が還付されます。
〔確定申告と消費税〕
消費税を負担するのは消費者ですが、納税義務者は自営業者や会社といったような事業者になります。
会社の場合
事業年度ごとに、その事業年度が終了した翌日から2ヶ月以内に、所轄税務署に確定申告書を提出すると同時に、税額を納付します。
自営業者の場合
1~12月の暦年ごとに納税額を計算し、これを毎年3月末までに確定申告と納税を行います。
〔消費税納税義務の免除〕
消費税には「基準期間の売上高が1,000万円以下の個人事業者・会社は、その年度の消費税納税義務が免除される」ことになっています。また「基準期間の課税売上高」とは、個人事情者の場合では前々年、会社の場合では前々期の課税売上高となっています。
※ 個人事業者や会社が新規開業した場合には、「基準期間の課税売上高」が存在しませんので、課税売上高の多寡に関わらず納税義務はありませんが、開業時の資本金が1,000万円以上の個人事業者・会社の場合には、「基準期間」がありませんが、消費税納税義務を免除しないきまりになっています。
〔消費税の簡易課税制度〕
基準期間における課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出を事前に提出している個人事業者・会社については、課税仕入にかかる消費税額集計の手間を省くという旨で「簡易課税制度」という制度を利用することができます。
簡易課税制度においては、事業形態により、第一種から第五種までの5つの事業に区分し、それぞれの事業の課税売上高に対し、第一種事業については90%、第二種事業については80%、第三種事業については70%、第四種事業については60%、第五種事業については50%のみなし仕入率を適用して仕入控除税額を計算します。
みなし仕入率の適用を受けるそれぞれの事業の意義は、次のとおりです。
事業区分 |
みなし仕入率 |
該当する事業 |
第一種事業 |
90% |
卸売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業)をいいます。 |
第二種事業 |
80% |
小売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで販売する事業で第一種事業以外のもの)をいいます。 |
第三種事業 |
70% |
農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含みます。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業をいい、第一種事業、第二種事業に該当するもの及び加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除きます。 |
第四種事業 |
60% |
第一種事業、第二種事業、第三種事業及び第五種事業以外の事業をいい、具体的には、飲食店業、金融・保険業などです。なお、第三種事業から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業も第四種事業となります。 |
第五種事業 |
50% |
不動産業、運輸通信業、サービス業(飲食店業に該当する事業を除きます。)をいい、第一種事業から第三種事業までの事業に該当する事業を除きます。 |
なお、事業区分に関しては、以下のことに留意してください。
〔事業区分〕
事業者が行う事業が第一種事業から第五種事業までのいずれに該当するかの判定は、原則として、その事業者が行う課税資産の譲渡等ごとに行います。
第一種事業
消費者から購入した商品を品質又は形状を変更しないで他の事業者に販売する事業も卸売業に該当することになります。また、業務用に消費される商品の販売(業務用小売)であっても事業者に対する販売であることが帳簿・書類等で明らかであれば卸売業に該当することになります。
第二種事業
食料品小売店が他から購入した食料品を、その小売店舗において、仕入商品に軽微な加工をして販売する場合で、加工前の食料品の販売店舗において一般的に行われると認められるもので、当該加工後の商品が当該加工前の商品と同一の店舗において販売されるものについては、加工後の商品の販売についても第二種事業に該当するものとして差し支えありません。
第三種事業
第三種事業は、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定します。なお、次の事業は、第三種事業に該当するものとして取り扱われます。
(1)自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品とする、いわゆる製造問屋
(2)自己が請け負った建設工事の全部を下請に施行させる建設工事の元請
(3)天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業
(4)新聞・書籍等の発行、出版を行う事業
第五種事業
第五種事業も、第一種事業から第三種事業以外の事業とされる事業を対象として、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定します。
なお、日本標準産業分類の大分類の区分が不動産業、運輸通信業、サービス業に該当するものは、「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業」であっても、第五種事業に該当します。
また、サービス業から除くこととされている「飲食店業に該当するもの」とは、例えば次のようなものいいます。
(1)ホテル内にある宴会場、レストラン、バー等のように、そのホテルの宿泊者以外の者でも利用でき、その場で料金の精算をすることもできるようになっている施設での飲食物の提供
(2)宿泊者に対する飲食物の提供で、宿泊サービスとセットの夕食等の提供時に宿泊者の注文に応じて行う特別料理、飲料等の提供や客室内に冷蔵庫を設置して行う飲料等の提供のように、料金体系上も宿泊に係る料金と区分されており、料金の精算時に宿泊料と区分して領収されるもの
(3)なお、例えば、「一泊二食付で2万円」というように、食事代込みで宿泊料金が定められている場合は、その料金の全額が第五種事業の対価となります
第四種事業
事業者が自己において使用していた固定資産の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当することになります。
〔消費税の中間申告と納付〕
消費税を最終的に負担するのは消費者ですから、消費税の納税義務者は、消費者からもらい受けした消費税をできるだけ速やかに納税する必要があります。
そのため「中間申告」という制度があり、3ヵ月毎や半年毎に納税を行います。また、この際の納税額は「直前の課税期間における確定した納税額」をもとに求められます。
消費税-中間申告(表)
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個人事業者の中間申告税額 |
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直前の課税期間における国税の消費税確定税額 |
上半期 |
下半期 |
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
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1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
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4,800万円超 |
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401~4,800万円以下 |
直前課税期間の確定消費税額の3/12 |
直前課税期間の確定消費税額の3/12 |
直前課税期間の確定消費税額の3/12 |
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48~400万円以下 |
直前課税期間の確定消費税額の6/12 |
直前課税期間の確定消費税額の6/12 |
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48万円以下 |
中間申告・納付は不要 |
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